被造物すべてが呻いているのであれば、本稿の締め切りに追われる私が呻いているのは当然のことと諦めますが、「被造物」の範疇に入るかどうかよく分らない九州教区も始終呻いております。就中、最大の呻きは云う迄もなく先の「熊本・大分地震」による被災でありました。避難者18万人余、教区内15の教会がその建物を損なわれるという事態に直面しては、唯々呻くばかりの有様であったことを思い起こします。然し、この難局に教団が逸早く対応して下さり、全国の諸教会が祈りを籠めて大きな献げものをなして下さったことによって、発生以来3年近い今日、ようやく出口の見えそうな処に立ち至ることが出来ました。再建・修復成った教会10、その余の教会の殆ども工事中ないし着工を待つ段階にあります。避難所から仮設団地へと働きのステージを移した被災者支援も、尚長期化が見込まれるとは云え、粘り強く続けることが許されています。呻きの中で九州教区は、「神の子」たちの交わりの中に置かれて在る幸いを改めて深く識るものとされたのです。感謝の外ありません。
斯く、将来の全き栄光の先取りを見せて頂いた当教区ですが、教団総会毎に訴えている二種教職制度撤廃や伝道資金制度改定については中々、正面から向き合って頂けぬようで、虚無に服する如き思いで呻き続けております。出せども受けぬ身には重いとて、伝道資金負担金については「今年ゃ白菜も大根もデカいのが出来とるけ、物納させて貰えんか、議長、教団に訊いてくれんね」との声さえ上がっております。
「うぅ~」と呻きながらも、震災を通して神の国の片鱗に触れさせて頂いた教区ですから、解放の時は必ず与えられるとの希望を捨てずにおります。うぅ~。(九州教区議長)