8月7日~9日にかけて第21回部落解放青年ゼミナールが京都の平安教会を会場に開催された。30名を超える青年を中心とする参加者に恵まれ、共に部落解放の思いを語り学ぶ時を持った。今年はテーマを「すぐ気づけ差別」とした。京都には「京の三大漬物」という言葉があり、これは「千枚漬、柴漬、すぐき」を指した言葉である。「今年は京都でやるから」ということで「すぐき」にちなんでダジャレで付けたのがこのテーマであった。
そんな冗談で始まった今年度の準備委員会であったが、京都での差別・被差別部落の歴史を考える中で、京都の解放同盟の方を紹介して頂き、京都市内でのフィールドワークと学びの時を持つことが出来た。
今回、フィールドワークをさせて頂いた地域は室町時代から存在を確認できる所で、死んだ牛馬の処理や皮革産業、庭造りなどを生業とし、牢屋の警備などの仕事も奉行所などから命じられて行い、時には為政者からも重要視された。京都と言えば「枯山水庭園」も有名であるが、昔の庭造りに多く関わった地域であった。京都にあって文化に関わる大切な仕事をしていたにもかかわらず、「差別」され続けてきたのだそうだ。
フィールドワークでは市内中を巡り歩き、様々な学びを得ることが出来た。どこも、日常的に車で走る道や、普段友だちと遊びに行くところであった。私たちは逐一驚いた。差別された抑圧の歴史は、私たちのすぐそばにあった。ダジャレで付けたテーマであったが、「すぐ気づくことが出来るのか」と問われた3日間であった。そして「気づき続けること」も大切である。差別はいけない、そう語ることだけは簡単かもしれない。しかし共に歴史を学びながらそれぞれの言葉、それぞれの場所で解放を叫ぶものでありたい、みんなで話し合いの出来た良き3日間であった。 (桝田翔希報)