1815年に開始したスイスの宣教団体「mission21」は、2年前から青年プロジェクトを開始し、青年を関係教団へ派遣しました。今回は逆に、世界中の関係教団から1名ずつ青年を招く国際青年大使プログラムが開催され、私も6月11日から24日にかけてスイスに行って参りました。
プログラムの多くは、各国の青年たちと社会問題や国際的団結について議論して過ごしました。始めの一週間はmission21の総会へ陪席し、テーマである移民・難民問題についての世界中からの議論を聞きました。青年のうち2名のコーディネーターにはプレゼンテーションが任されました。
翌週にはチームごとの派遣があり、アジアチームはドイツへ行きました。現地の青年や神学生との交流を通し、日本人として同じ敗戦国ドイツに遣わされた意義深さを感じました。EMSへも訪問の機会を得、宣教についてさらに考えました。
今回学んだことの一つが、青年の主体性です。私たちは総会においてステートメント「私たちは今ある存在。未来のものだけじゃない。(We are present not only future.)」を発表しました。青年は被教育対象でも未来の存在だけでもなく、今を生きる主体的な存在だという意味です。それを証明してくれたのが、このプログラムを基本的に運営していた青年たちの主体的な奉仕でした。二つ目が宣教についてです。日本人としてアジアチームにいる時、またドイツにおいて、私は敗戦国であり宗主国でもあった日本をとても意識しました。ヨーロッパで宣教や国際協力が力強いことの背景にキリスト教の定着があります。しかし、ヨーロッパも植民地支配を行い、宣教もそれに利用されました。他国へ行って何かをするときに人間は傲慢や偏見の誘惑に遭います。それに打ち勝つには、聖書の持つ平等の思想と、受け与えるという関係だけではないエキュメニカルな団結の関係が重要であると思い、祈りつつ聖書の平和を希求していきたいと思いました。 (岸ひかり報/千葉本町教会員)