第36回教団総会開催
「教団・公同教会としての一致と連帯」を掲げて
一〇月二一日(火)、池袋メトロポリタンホテルを会場として第36回教団総会が定時の開会礼拝をもって開会された。開会時、議員四〇〇名中三六七名が出席。総会特別委員の選出等の組織会に続き、まず議案第1号として議事日程承認を諮った。57号議案(「教団諸教会の信頼を守る件」)、44号議案(「北村教師戒規申し立て決議無効」)が議案となることに意見があったが、議事日程を賛成多数で承認した。三日間の会期中に六一の議案が審議されることとなる。
続いて、議長報告、総幹事報告、常議員会報告がなされた。
山北宣久教団総会議長は、議長報告において、今総会は主題として「教団・公同教会としての一致と連帯」を掲げて、「教団の一致の根幹が揺らぐ現実の中でもう一度原点に立ち戻り、主のみ栄えをあらわすべく伝道する教団となる道が示されることを切望」するとした。
特に報告冒頭で35総会期の最も大きな課題であった「未受洗者への配餐」を取り上げて、執行の違法性をあらためて指摘し、違法聖餐執行が「全体教会としての教団の一致だけでなく、エキュメニカルな交わりをも損なうことになる」ことを述べた。
沖縄教区から総会議員が選出されなかったことを巡っては十三名の推薦議員を同教区から選出した。「合同のとらえなおし」関連の議論ができないまま、第五回常議員会で廃案になったことは、総会期をまたがった継続を避けるためであり、「出直し、仕切り直し」を必要とすることを述べた。
内外諸教会との関係では、日北米宣教協力会(JNAC)の解散後、北米諸教会との関係継続、今後の伝道協力を話し合った結果、今総会、アメリカ合衆国長老教会(PCUSA)、アメリカ改革派教会(RCA)と宣教協約合意書調印を諮ることになったことは感謝なことである、とした。
内藤留幸総幹事は、幹事報告において資料を添付して教区活動連帯金について報告した。
議長報告、総幹事報告は、採決によって承認された。表決は以下のとおり。議長報告承認賛成三六八名中二一三名。総幹事報告承認賛成三六八名中二二〇名。常議員会報告は、報告審査委員会に回付された。
??開会礼拝
『教会の一致』高柳竜二牧師による説教
第36回日本基督教団総会開催に当たって、午後一時半より開会礼拝が行われた。司式者の成松三千子氏(柿ノ木坂教会)より「一同が集められていることを主の御旨として受け止め、対立を越える努力を私たちが模索し、審議すべき事柄を十分に審議し、主の御委託に応えていく歩みを進めていく事ができるように」との祈りが献げられ、日本基督教団信仰告白が一同によって告白された。髙柳竜二氏(本牧めぐみ教会牧師)によってエゼキエル書37章15?28節、コリントの信徒への手紙一1章10?25節から「教会の一致」と題して説教が行われた。
「破れた網でさかなを捕ることができないように、破れた教会は神の御委託に応えることはできない。しかし神は十字架の主イエス・キリストの権威によって、その破れを修復して下さり、教会に一致させて下さる」と公同の教会の一致と連帯の重要性が説かれ、コリントの教会が、人間が神のものとされる、一致をもたらすはずの洗礼によって「パウロに」「ケファに」「アポロに」と分裂した事を挙げ、教会は十字架についたキリストによって一つとなるべきであることが指し示された。人間は根拠を持たない存在であるがゆえに、しるしや知恵を求めてしまい、神の力を「愚かさ、弱さ」と見てしまうことがある。しかし、「神の愚かさ、弱さ」と思っていた事が実は「神の知恵、力」である事を認める時、十字架につけられたキリストが神の知恵であり得ることが理解できる。
十字架につけられたキリストを通して救いの業が成就した今は、十字架を愚かと言う事はできない。その価値の中に生かされ、召された者として一致を目指して歩んでいく希望が語られた。
続く献金の祈りでも、一致を求め、誠実に審議がなされる事が願いとして挙げられ、祝祷を持って礼拝が閉じられた。
総会速報について
「総会速報」を発行いたします。今回は4号までの予定です。
なお、この「総会速報」は正式の議事録ではありません。拙速ゆえの間違いなどがありましたら、ご容赦ください。
また、この速報はインターネットでもご覧になれます。
2008年6月より、日本基督教団公式サイトが開かれ、10月に正式に稼働し始めました。今回、第36回教団総会の速報を、HPの「教団新報」の欄に掲載することとなりました。どうぞご覧下さい。
URL www.uccj.or.jp
第36総会期 第6回常議員会報告
第35総会期第六回常議員会が、一〇月二〇日、総会会場と同じホテルメトロポリタンで開催された。出席常議員は開会時で二九名、後一名が加わり、全員の出席を得た。要請陪席者の内、村椿嘉信沖縄教区議長は欠席だった。
議事日程承認、議事録承認...組織会の段階から、厳しく質疑応答が行われた。
特に、常議員の一人から、「少数意見が敵対視され、叩き潰されている」と議長の議事運営への批判が激しい調子で述べられた。これに対して山北宣久議長は、「異なる意見を切り捨てるとか、少数意見を無視したとかという批判は事実無根である。(当該常議員にも)発言の機会を多く与えた」と反論した。
また、西田直樹常議員は、前回常議員会で採決時に退席した常議員があったことを指摘し、賛否がどうであれ「留まるのが常議員の責任」と意見を述べた上で、「反対意見の票数もとるべきだ。そのことで意志を明確にできるから退席もなくなる」と要望した。
松村重雄常議員は、議事録の末尾の記載に関連して、時間切れ廃案という処理に反対、時間切れ廃案ではなく継続にすべきと意見を述べ、また、「合同のとらえなおし」廃案の事実関係について、「取扱い上のことなのか、議長の意志に基づくのか」と真意を問うた。山北議長は、「取扱い上のこと、残念ながらそうなった」と答えた。
書記報告では、NCCの総会議員の選出について、その選考基準が問われたのに対し、鈴木伸治書記は「NCCの要請に従って、青年、女性、信徒など配慮した。自費による参加という事情もあり、近場の者を選んだ」と答えた。
総幹事報告では、「教区活動連帯金について」「ユースミッション2008」「韓国長老教会総会」「在日大韓基督教会創立100周年記念式典」「台湾基督長老教会への派遣宣教師退任」「NCC総会代議員選出」「新共同訳聖書に続く新しい翻訳」「WCC」「阪神淡路大震災第二次募金」が特に項目に上げられ、報告された。
いつもながら、多方面に亘る質疑がなされた。議案や各委員会報告と重複する事柄も少なくなかった。
北村慈郎常議員から信仰職制委員会の報告について、紅葉坂教会からの質問状への回答はどうなったのかと質問があった。
愛澤豊重幹事が、「返事を紅葉坂教会に出すことも、次の委員会に引き継ぐことも否決されたので委員会としては議論は終了した」と答えた。
この後、長崎哲夫常議員から、阪神淡路大震災の第二次募金の処理を巡り、総幹事と兵庫教区との協議の進行状況について「結論を出せないのは遺憾、話し合いで行うことではなく、決議されているのだから執行すべき」と意見が述べられ、内藤留幸総幹事は、「途中で就任したので、過去のことを確認してから対応して来た」と経緯を述べ、報告にも記されているように、「方向としては、地震や台風等の災害に対しての教団の対応を整理し、そのための資金として用いられていくことが妥当と思われる」と基本的な姿勢を確認した。
林邦夫兵庫教区議長は、関連して「兵庫教区も協議することとして受け止めたい」と述べた。佐々木美知夫常議員、大杉弘常議員からも、事柄の事実関係を糺し、速やかな処理を求める意見が述べられた。
「在日大韓基督教会創立100周年記念式典」の際の山北議長の挨拶に関連して、「感銘を受けた。そこで触れられた、合同性と開放性に学びたいという言葉を、教団の議事運営でも反映して欲しい」と、向井希夫常議員は述べた。
これも総幹事報告の中、「戒規申し立ての件」に議論が及び、松井睦教師委員長が、質問に答え、委員会での協議、対応について事柄を詳細に説明した。「戒規申し立ての件は、全会一致で受理した。調査員三名を選出し、当事者を召還し事実関係を調査する。その上で事実を教規に照らして判断し結論を出す」。また、提訴の権限と手続きについて疑問が出されたことについては、「内容書式共に整っている、常議員会で決議されている、と受理する条件が整っている」と説明した。
その他、「職員の退職金変更について」「同宗連の議長教団となることについて」、「台湾での宣教師について」の経緯、更に、「教師検定規則の変更」、「キリスト教教育主事」、「沖縄教区とのコンタクトの報告」と質疑がなされた後、報告は承認された。
「新潟県中越地震」被災教会会堂等再建支援委員会報告の件では、小橋孝一委員長より、募金目標を達成し、感謝に満ちた報告がなされた。飯塚拓也関東教区副議長は、「教区としては、(当該教会の)借入金が全てなくなるまで寄り添う」と述べた。
「能登半島地震」被災教会会堂等再建支援委員会報告の件では、長山信夫委員長より、募金と再建工事の現況が説明され、総会期内に達成できなかった課題が残り、36総会期に委ねたいと述べた。高橋潤中部教区議長、当該教会牧師である釜土達雄常議員からも、詳細が述べられた。
日本伝道150年記念行事では、ベッテルハイム伝道のことなど、過去数回の常議員会で繰り返し議論されたことが蒸し返され、また、計画全般に亘ってその意図を根本から糺す意見が述べられた。北紀吉準備委員会委員は、「常議員会で議決した結果、この委員会がある。その前提で委員会は働いている。委員会が独自に行っているのではない。決議したことだ」と、後ろ向きになる意見を批判した。
総幹事、出版局長選任...小林眞選考委員会委員長が、選考の経緯を説明した上で、内藤現総幹事の再任を願うとし、「教憲・教規に精通し、そこに立って働く人である。年齢・健康を危惧する声はあるだろうが個人差がある」と理由を述べた。
数人の常議員から、「合同とらえ直しに熱意を持っていない。教団内の分派活動に擁護の発言を繰り返している」などと反対意見が述べられたが、賛成意見が多数を占め、教団総会に内藤現総幹事を推薦することが決定した。
出版局長には、有澤年現出版局長の推薦が、賛成多数で決した。
「『障がい』を考える小委員会設置に関する件」では、松村重雄常議員が宣教委員会の廃止の方針との整合性を問い、「社会委員会のもとに置くか、特設委員会として設置できないのか」と意見を述べた。その後、『障がい』への名称の変更の是非、従来の名称から「差別」の二文字が抜けた事の意味・是非、「考える」の表現の是非など、詳細に亘って質疑がなされた。津村正敏常議員から、名称を従来のものに戻すという修正案が出されたが、宣教委員会の原案が可決された。
にじのいえ・信愛荘合併が承認された。
年金局の報告に因んで、資金運用コンサルタントの藪田安晴年金局副理事長から、現今の金融不況下における年金資産の状況について説明がなされた。資産約三五億の内、二七億は元本確実の預金・国債であること、あとの十二億は外債・投資信託であるが、倒産リスクはないこと、株価・為替の激変はどうしても運用計画に影響しているが、08年度四千万円の利益が見込まれ、09年度も同額を確保出来ると、見通しを述べた。
解放劇第8弾『荒れ野の40日』
別府牧師は、教会員の息子の就職を助けようと知り合いに相談する。
だが、そのやりとりの中で、彼は自分の差別意識を明らかにしてしまった。
そして、自分の中にある差別心と向き合っていく...
10月22日(水)午後7時30分開場/7時45分開演
於 ホテルメトロポリタン3F富士
主催 教団部落解放センター