【4917・18号】天皇代替わり、教区の取り組み

♦北海教区♦ 国民主権に違反しない儀式を

 北海教区は、天皇代替わりにともなう諸儀式が、日本国憲法の国民主権、基本的人権の保障の原則に違反するものであってはならないとの観点から、問題意識をもって取り組んできた。裕仁天皇から明仁天皇に皇位継承が行われた時の諸儀式は日本国憲法にはふさわしくないと思われるものが多くあったため、その誤りを正していく自覚と行動が必要であると考えている。それと同時に、象徴天皇制とは何か、そもそも天皇制とは何かを考えることも大切だと考えている。

 2018年11月23日、「第49回靖国神社問題北海道キリスト教連絡会議」が札幌北光教会で開催された。参加者41名。この集会はキリスト教4団体が幹事団体として共催するもので、教団北海教区はその一つである。北海教区の平和部門委員長の佐藤幹雄牧師(岩見沢)が「天皇代替わりと『国民主権』」と題して講演した。大嘗祭は天皇が神となる儀式であること、国民を統合することが天皇の使命であるとする明仁天皇の解釈は国民主権と矛盾することを話した。

 2019年3月11日、「第36回北海道宗教者懇談会」が開催された。「天皇の代替わり儀礼と信教の自由」と題して、島薗進氏が講演。教団北海教区、日本キリスト教会北海道中会、真宗大谷派、浄土真宗本願寺派が共催する集会である。参加者は69名。

 2019年4月に行われた第79回北海教区定期総会では、議案「天皇代替わりに際し行われようとしている大嘗祭及び即位礼正殿の儀の中止を要求し、実施した場合は、断固たる抗議を継続する決議に関する件」を可決した。

 この議案は、大嘗祭と即位礼正殿の儀は天皇の神格化をあらわす神道儀式であり、国民を天皇に臣従させる服属儀礼であって、明らかに憲法の主権在民と政教分離原則に違反するので、中止を要求すると共に、実施すれば断固として抗議を継続するという内容である。

(浦部浩行報)

 

♦兵庫教区♦ 毎月1回、連続集会を実施

 兵庫教区(以下、教区)は、2003年度教区総会で「天皇制問題は宣教の課題である」と再確認し、靖国・天皇制問題情報センターを支援することを決議した。

 また、2016年8月8日に公表された「生前退位の意向を示した天皇メッセージ」を受け、2017年度教区総会で「大嘗祭に反対する件」を決議した。

 2019年度は常置委員会、教区天皇制問題特設委員会主催で連続集会を実施した。

 4月30日(退位の日)は、但馬地区・豊岡教会で、「天皇退位の日・ホントの意味で、『平成』とさよならしよう」をテーマに集会を行った。

 5月1日(即位の日)は、教区クリスチャン・センターで、横田耕一氏(憲法学者)を講師に招き「天皇代替わりと私たち−『天皇教』の存続」をテーマに講演会を行った。

 11月14日(大嘗祭)には、教区クリスチャン・センターで、「大嘗祭って何?」をテーマに学習会を行った。

 この連続集会は、4月から11月まで毎月1回、教区内のいずれかの地区で行った。

 地区の教師会や懇談会のプログラムの中で天皇制問題をテーマに取り上げてもらった集会もある。集会テーマも「教師会一斉試験『これが分からないと日憲ちゃんに叱られる〜!」(第3回)、「天皇制と私たち」(第4回)、「元号から考える天皇制集会」(第5回)、「聖書×憲法 おしゃべりカフェ」(第6回)と多様だった。各地区の集会に参加した人たちがそれぞれの思いを語り合うことができた。

 現人神と担ぎ上げられた人間を、私たちの象徴とすることは信仰の問題である。キリスト者こそ、いのちと尊厳に関する問題に沈黙してはいけない。神様からいのちを与えられていることを信じ、一つ一つのいのちが尊重される世界、真実と平和を求める。

 キリスト教信仰に立つからこそ教会・伝道所の皆様と共に活動を続けていきたい。(松本あずさ報)

 

♦東京教区♦ 「元号問題と天皇代替わり儀式」を主題に

 東京教区社会部は「教団社会活動基本方針」に基づきながら、教区社会部主催による講演会を開催している。

 今年は活動方針のうち「憲法を守り、民主主義を擁護する」、「信教の自由を守る」にあたる事柄として、大嘗祭が行われることもあるので、元号問題、そして大嘗祭を含めて「元号問題と天皇代替わり儀式」を主題とした。

 講演会は11月4日、富士見町教会を会場にして開催し、講師には「元号問題」に取り組んでいる憲法学者である稲正樹氏(前国際基督教大学教授、所沢みくに教会)を迎えて講演をしてもらったが、唯一なる神への信仰の根幹が揺るがされている事態にどのように対処するかが問われた。

 講演の要点は、元号については、①元号はイデオロギーとしては皇帝が時を支配する宗教的権威顕示、政治的には支配と服従関係確認の制度、②一世一元は明治政府の発明で、明治憲法と旧皇室典範(皇室の家法)により引き継がれ、元号と天皇制は一体不可分、③日本国憲法以後は法的根拠を失い慣習として使用されたが、元号法(1979年)により天皇代替わりで元号が変更されることになったことなど、元号問題が丁寧に取り扱われた。

 次に天皇代替わり儀式については、①日本国憲法では、天皇代替わり儀式を国家的な行事として行う根拠の失効、②三種の神器承継を国事行為として行うことは憲法の国民主権と両立しない、③即位後朝見の儀、即位礼正殿の儀が国事行為の儀式として行われることの違憲性、④大嘗祭は明白な宗教儀式であり、戦前は天皇が神となる儀式と理解されていたこと、政府は大嘗祭が宗教上の儀礼であり、皇室の私的行事であることを認めつつ、公的性格があるとして宮廷費から支出するなど明白な政教分離違反であることなど、憲法・法律上の根拠についての問題が指摘された。(大友英樹報)

【4917・18号】♦韓日5教団の宣教師に関する実務者会議♦ 4年にわたる協議を終了

 11月18・19日、ソウルで、第7回韓日5教団の宣教師に関する実務者会議が開催された。

 2016年より始まったこの会議は、大韓イエス教長老会(PCK)、韓国基督教長老会(PROK)、基督教大韓監理会(KMC)から日本に派遣される宣教師の人事に関する諸課題について、在日大韓基督教会(KCCJ)と共に協議をするものである。

 これまでの6回の会議において、韓国3教団から日本に派遣されている宣教師の働きの状況や、教団における宣教師受け入れ手続きおよび現状の報告、日本における宣教師の活動報告、日本宣教を目指している宣教師候補者のインターンシップ制度構築の検討等について協議してきたが、この度は、あらかじめ本会議をもってこの会議の開催を終了することとしていた。

 今回は、韓国3教団より世界宣教部門や宣教師人事の担当者が出席し、KCCJからは趙永哲総会長ほか4名、教団からは雲然俊美書記と加藤誠世界宣教担当幹事が出席した。

 会議においては、各教団における宣教師人事とその働きに関する取り組みの現状報告がなされ、その後、今回の会議で通訳を担当した長尾有起宣教師(PROK)、KMCから派遣されている尹成奎宣教師(教団津島日光川燈台伝道所)、PCKから派遣されている朴榮喆宣教師(KCCJ対馬めぐみ教会)の3名から、日本宣教における近隣教会や教師および教区との連携の大切さ、日本における教会形成と伝道の特色、韓国から日本に来る旅行者への伝道の取り組み等について、とても有意義な報告がなされた。

 その後、金柄鎬KCCJ総幹事より、日本宣教を志す宣教師養成のための「日本宣教アカデミー」開設構想案が出され、協議の後、今後、韓国から日本に派遣される宣教師の事前学習の場の設置に向けて、各教団の担当幹事を中心に検討を進めることとした。

 以上をもって4年にわたる協議を終えた。(雲然俊美報)

【4917・18号】♦伝道資金を用いた取り組み(四国教区)♦ 青年一人一人の信仰の歩みを支えるために

 四国教区では、昨年度伝道資金として、伝道交付金360万円、教区伝道方策交付金81万9400円、合計441万9400円を受領した。このうち、教区伝道方策交付金は、特に継続的な取り組みが必要と考えている主として5つの働きのために用いた。それは、青年育成費、在日大韓基督教会新居浜グレース教会との合同シンポジウム開催費、教区広報費、差別問題学習会費、そして、ハラスメント対策費である。

 今回は、特に青年育成費について報告する。四国では、進学や就職を機に四国を離れる青年が少なくない。教会でも、同様の傾向が続いている。しかし、少数ではあるが、四国教区の教会で信仰生活を送る青年が与えられている。そのような一人一人の信仰の歩みを支えていくことが、教区の重要な使命であると受け止めている。

 現在、教区には青年部は存在しないが、青年に対する取り組みを継続するために、教育部の下に青年伝道小委員会を設置している。この委員会を通し、各分区の青年会活動の支援や教区青年集会の開催協力を行ってきた。各分区の青年会活動の現状は厳しいが、少数であっても、地道な活動が積み重ねられている。そういう中で、新しい青年が活動に加わることも起こっており、感謝である。また、各分区青年会が持ち回りで開催の責任を負う「教区青年集会」は、今年37回となり、青年が直面している課題を共有するよき学びと交わりの時となっている。

 四国教区では、各教会に青年会がない教会も少なくない。そのような教会の青年が、分区や教区の会に参加し、青年同士の交わりを与えられることは、大きな意味を持つ。そのような働きの重要性を考え、教区伝道方策交付金を用いている。全教団的な伝道支援の祈りに、四国教区の青年活動が支えられていることは、本当に感謝である。

(黒田若雄報)

【4917・18号】♦西南支区・南支区合同教師会♦ 伝道拡大のための教会合併

 11月18日、東京教区西南支区・南支区合同教師会が渋谷教会で行われ、36名が出席した。「いきいきと伝道する教会〜教会合併を事例として」を主題に、伊藤英志牧師(三軒茶屋主任)と北川美奈子牧師(三軒茶屋担任、元・駒澤主任)が三軒茶屋教会と駒澤教会の合併について発題した。

 北川牧師によると、駒澤教会では高齢化による礼拝出席の減少に伴い将来的に運営が困難になることが予想された。検討の結果、歴史が途絶えず信徒が離散しない吸収合併という道を選択。西南支区と協議し、至近にある三軒茶屋教会に合併を申し入れることになった。

 伊藤牧師によれば三軒茶屋教会役員会では「これからは教会合同や合併が必要になるかもしれない。今から心構えを」との共通理解が2012年頃よりあったとのこと。合併の申し出を受け、もともと三軒茶屋が駒澤から分離したという経緯から「他人事ではない」と受け止める一方、懸念や反対もあった。そのため懸念や不安の、可能な限りの軽減に努めた。2年近くにわたり両教会間およびそれぞれの教会内で協議や懇談を重ね、北川牧師を三軒茶屋の担任に招聘することや墓地を維持することなどを決めた。そして総会決議を経て、2019年4月より共に礼拝をささげている。奉仕や役員選挙等に関しては現在もすり合わせ中である。

 両牧師は、「この合併は法的には吸収合併であるが、信仰的には伝道力強化であり信仰継承と受け止めている。これまでは駒澤と三軒茶屋とでテリトリーが自然とできていたが、今後は三軒茶屋地域全体の伝道に、一体となってより大きな力で取り組むことができるようになる」とビジョンを述べた。

 また手続きに関して伊藤牧師は、「教区・教団だけでなく東京都や司法書士、不動産業者など外との関わりが多く生まれた。教会が広義の公益団体であることを認識した」と振り返った。(米山恭平報)

【4917・18号】社会事業奨励日メッセージ

 この夏は、2年ぶりに訪れたアウグスブルク(ドイツ)で、前回果たせなかったフッガーライ訪問を叶えることができた。

 フッガーライは1521年にアウグスブルクの豪商ヤコブ・フッガーが資金を提供し生活に困っている貧しい市民のために建設された。当時52軒、第二次世界大戦当時の被災後なお再建され、67軒の棟に現在140のアパート、150名の入居者が生活している。世界最古の社会住宅として知られ、当時も今も年間家賃1ライン・グルテン(現在の0・88ユーロ)のままで入居できる。モーツアルトの曾おじいさんが住んでいたことでも知られている。500年前とはまさに宗教改革の当時だが、フッガー家は自己の財的拡張にのみ拘泥するのではなく、きちんと社会に還元することを果たしていた。その姿勢は戦後も崩されることはなかった。入居者は高齢者が多いが、人に優しく配慮された設備が当時のコンセプトのまま現在も用いられている。

 わが国の国法に定められている社会福祉の根拠(憲法第25条)あるいは『福祉六法』(老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法)に基づき、現在実に多くの社会福祉事業団体が活動しているが、これらを支える社会の仕組みや行政の基盤の脆弱さゆえ、多くの問題をも抱えている。私どもはこうした世の中にあって、これらの団体の働きを覚えつつも、そこにキリストへの信仰にある祈りと願いがますます重要であることを思う。

 今年も12月第1主日の「キリスト教社会事業を覚えて祈る日」を迎えようとしている。教育・医療・福祉などさまざまな分野におけるキリスト教社会事業のこれまでの社会貢献に感謝をするとともに、これからの時代に、さらに「心」を込めた務めが大切であることを世に知らせる重要な働きを多くの人々に分かち、なおいっそうの手本となって示し続けていただきたいと願っている。キリスト教社会事業に関わるすべての方々の働きに共に祈りを合わせていきたい。

2019年12月1日

第41総会期日本基督教団

社会委員会委員長

森下 耕

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