【4882号】▼「障がい」を考える小委員会▲10月開催「全国交流会」を準備

 宣教委員会の下に設置されている当小委員会は、「障がいを考える全国交流会」を2年ごとに主催している。10月1~2日には「牧会者ならびにその家族の精神的ケアを考える」を主題に全国交流会を開催する。

 また「牧会者とその家族のための相談室」設置は当委員会の祈りの課題である。

 4月16~17日、第3回委員会を瀬戸キリスト伝道所(高知)にて開催した。1日目は委員会協議の時を持ち、2日目は、今秋の全国交流会講師の杉本園子氏(高知教会員、臨床心理士)を招き学びと懇談の時を持った。委員会を高知で開催したのは、高知で働きを担っている杉本氏と会うためである。

 1日目の協議では、主に全国交流会のための準備の確認をした。各教区を通して参加申込みしてもらいたい。

 また、「相談室」設置準備委員会の加藤幹夫委員長より経過報告を受けた。常議員会では時間を割いて審議され、理解が深まったこと、実際に相談に当たる相談委員の研修や匿名性の課題、牧師からの相談を担うのは牧師の方が良いとの指摘があることなどを共有した。

 2日目は杉本氏を招いて話を聞いた。精神科では治療法として与薬があるが、障がいは薬では治せない場合が多く、心理療法、環境調整などが必要なこと、牧会にて牧師が一人で背負い込むのではなく、保健所などとの連携を求めて良いこと、また例えば、臨床心理士でも患者の相談に乗りながら、臨床心理士自身のメンタルヘルスを守るためにストレスを管理していく術が必要であることなどを聞いた。

 もっとも、結果的に一方的に話を聞くよりも、委員が障がいと牧師・家族を巡る課題を出し合い、杉本氏に共有してもらう会となった。交流会に向けて良い準備の時となった。(森田恭一郎報)

【4882号】セクシャル・マイノリティ理解を求めて

 去る3月27日、教団会議室にて部落解放センター主催の「第31回神学校等人権教育懇談会」が開催された。8つの学校から9名の教師と部落解放センター担当者を合わせて21名の参加があった。この懇談会は神学教育・キリスト教主義教育における人権教育の深化と発展を求めて、積み重ねられている。

 今回の主題は「教会内外におけるLGBTセクシャル・マイノリティ差別について」だった。LGBTセクシャル・マイノリティの理解は教会内外に広まりつつあるが、まだまだ根強い差別と偏見があると言わざるを得ない。日本基督教団において同性愛者が牧師になることを巡って激しい議論が起こってから20年が経過した。この課題を今日的視野から問い直すと共に、セクシャル・マイノリティについてより深く学び、無意識にも意識的にも差別をしない福音共同体の形成と発展を求めて、今回の懇談会は行われた。

 森なおさん(加古川東教会)による開会礼拝の後、松見俊さん(西南学院大)から、西南学院におけるセクシャル・マイノリティの人権に関わる取組みの報告を受けた。そして平良愛香さん(農村伝道神学校)より発題を受けた。平良さんは、セクシャル・マイノリティについての基本的な理解を提示しつつ、教会における差別の現実を指摘した。

 発題後の懇談では、20年前からの議論が未だに同じところに立ち止まっている現実が明らかになった。部落解放センターは「同性愛者は牧師となるべきではない」という理解は差別であると認識している。教会が差別をしないために、今後もこの課題に向き合い対話を継続していくこと、そのために次年度も同じテーマで行うことを確認して会は閉じられた。

 森なおさんの礼拝メッセージと平良愛香さんの発題の概略は、部落解放センター機関誌「良き日のために」14号に掲載されている。(斎藤成二報)

【4882号】周縁からの宣教

 3月8日から13日にかけて世界教会協議会(WCC)の世界宣教伝道会議がタンザニア・アルーシャにて開催された。テーマは「霊に導かれて進むことー変革をもたらす主の弟子となることへの招き」だった。全体で1000名以上、日本から10名が参加、教団世界宣教委員会からは、野川祈氏(国立)と三浦洋人氏(仙台北)を派遣した。

 会議は、礼拝、聖書研究、社会と教会が抱える課題についての発題とワークショップから成り、特に10日は「周縁からの宣教」(Mission from the Margins)というテーマで障がいを抱える人、少数民族、移民、女性等から発題があり、討論する時間があった。ここで言う周縁とは社会から弾き出された弱者を指す。確かに周縁に置かれている人々に眼差しを注ぐことは極めて重要であるが、「周縁や少数者という言葉を用いること自体が、中心にいる自分たちと、そうでない人々を既に差別してしまう」という指摘もあった。

 会議にはイスラム教等、他宗教からも参加者があった。日本に存在する宗教は多様だが、他宗教であっても「隣人」として愛していくことが、この日本社会にキリスト者として生きていくためには大切なことと感じた。

 会議中至るところで現地教会の方々による迫力のある讃美やダンスに触れた。心を込め精神を尽くして主に讃美を捧げる姿を見て、文化や個人各々に適した方法があるが、主を讃美する姿勢を省みる機会となった。 (廣中佳実報)

【4882号】人ひととき 橋本 伊作さん 成長させてくださるのは神

 かつて「江戸優り」と言われるほどに栄えていた水郷の町・佐原には、屋号を代々引き継いでいる商家が多い。橋本伊作さんは「司佐野屋」に生を受けた。曾祖父は今年で創立130年となる佐原教会の当初からの教会員で、橋本さんは四代目にあたる。「あなたの家は教会守りなんて、よく言われますが」と、橋本さんは面映ゆげに目を伏せた。「人間に神様を守れるはずがありません。恩寵の中に置かれているのは私どもです」。

 教会に通うことを当たり前として育ったが、主との出会いはなかなか訪れなかった。千葉支区中高生修養会で、感動的な証しを語る仲間が羨ましかった。信仰ばかりでなく身近な事柄を、頑ななまでに真剣に受けとめ悩む十代を送る中で「その日の苦労は、その日だけで十分である」の聖句が心に沁みた。深く慰められ、今日を大切に生きることだけに集中しようと決めた時、心底から楽になった。

 高校2年で受洗した。救われた喜びは大きく、結婚して授かった長女には「今日」に通じる「杏子」をつけた。CS教師、役員として仕え、一昨年の会堂建築時は会計を担当し、建設のために働く中で、人の思いを超えて多くを与えてくださる主の恵みを知った。

 水に恵まれ、農地が広がる佐原で、肥料を中心とする農業関連資材を扱う会社を営んでいる。さらに、地元の仕事仲間と「小江戸」佐原の活性化をめざして興した街づくりの会社も16年目を迎えた。

 農家に美味な作物を育てる良い土作りの技術的な助言をしながらも、「土はひとりでに実を結ばせる」の御言葉を忘れたことはない。命も、すべての事柄も主が豊かに導き育ててくださると信じて、与えられたこの場とこの日を大切に生きてゆくことが橋本さんの祈りである。

クリスチャンホームに生まれ、佐原で肥料・農業生産関連資材販売業を営む。佐原教会員。

【4882号】アスファルトを突き破って

 3年前、教会駐車場のアスファルト舗装工事をした際、余ったアスファルトを、雑草で悩まされていた細長い隙間に敷いてもらった。工事担当者からは、「下地をきちんとやっていないから草が生えて来ますよ」と言われた。

 その言葉の通り、アスファルトを突き破って、草ならぬ、球根を全部移植したはずの水仙とチューリップが顔を出し、前よりも大きく育った。花の生命力の強さに皆驚いたが、埼玉から引っ越して来られた会員が本当に感動して見ていた。彼女は息子さん家族がおられる秋田に転居して来られたのであるが、冬の寒さと雪国の生活の厳しさにいささか気落ちしておられた。

 彼女が先日、「こんな記事がありました」と、新聞の切り抜きを見せてくれた。あるテレビ番組の紹介記事で、アスファルトの下は乾きにくく、光が当たりやすいので、植物の成長には好条件なのだとあった。植物学者の、「(植物にとって)ハッピーだと思いますよ」との言葉もあった。植物は移動できないので、自分が置かれた場所で成長することしかできない。どうしてこんなところに根付いたのだろう…と思うような所でも、そこが植物の成長にとって好条件である場合もあるとのことである。

 置かれた場所、遣わされた地で、野の花を装ってくださる神さまが備えられた恵みがあることの不思議さを思わされた。
(教団総会書記 雲然俊美)

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