【4917・18号】社会事業奨励日メッセージ

 この夏は、2年ぶりに訪れたアウグスブルク(ドイツ)で、前回果たせなかったフッガーライ訪問を叶えることができた。

 フッガーライは1521年にアウグスブルクの豪商ヤコブ・フッガーが資金を提供し生活に困っている貧しい市民のために建設された。当時52軒、第二次世界大戦当時の被災後なお再建され、67軒の棟に現在140のアパート、150名の入居者が生活している。世界最古の社会住宅として知られ、当時も今も年間家賃1ライン・グルテン(現在の0・88ユーロ)のままで入居できる。モーツアルトの曾おじいさんが住んでいたことでも知られている。500年前とはまさに宗教改革の当時だが、フッガー家は自己の財的拡張にのみ拘泥するのではなく、きちんと社会に還元することを果たしていた。その姿勢は戦後も崩されることはなかった。入居者は高齢者が多いが、人に優しく配慮された設備が当時のコンセプトのまま現在も用いられている。

 わが国の国法に定められている社会福祉の根拠(憲法第25条)あるいは『福祉六法』(老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法)に基づき、現在実に多くの社会福祉事業団体が活動しているが、これらを支える社会の仕組みや行政の基盤の脆弱さゆえ、多くの問題をも抱えている。私どもはこうした世の中にあって、これらの団体の働きを覚えつつも、そこにキリストへの信仰にある祈りと願いがますます重要であることを思う。

 今年も12月第1主日の「キリスト教社会事業を覚えて祈る日」を迎えようとしている。教育・医療・福祉などさまざまな分野におけるキリスト教社会事業のこれまでの社会貢献に感謝をするとともに、これからの時代に、さらに「心」を込めた務めが大切であることを世に知らせる重要な働きを多くの人々に分かち、なおいっそうの手本となって示し続けていただきたいと願っている。キリスト教社会事業に関わるすべての方々の働きに共に祈りを合わせていきたい。

2019年12月1日

第41総会期日本基督教団

社会委員会委員長

森下 耕

【4917・18号】事務局報

嶺  尚氏(隠退教師)
 19年11月19日逝去、84歳。東京都生まれ。62年東京神学大学大学院卒業。同年より茂呂、大泉ベテル教会を牧会し、弘前学院に務め、関東教区巡回教師を経て05年隠退。

 遺族は妻・嶺澄子さん。

 

山神 康氏(無任所教師)
 19年11月19日逝去、89歳。山梨県生まれ。54年日本基督教神学専門学校卒業。同年より飫肥、富士見丘、所沢、所沢みくに教会を牧会。

 遺族は息・山神雄一さん。

【4917・18号】伝道のともしび 聖書が語る愛の実践の場 中部教区・愛知老人コミュニティーセンター宗教主事 小田部正一

 愛知県日進市にある「愛知牧場」の周りに、南山教会を始め、愛知国際病院、アジア保健研修所(AHI)等と共に、隣接する形でシルバーホーム「まきば」(以下「まきば」と略す)が建てられています。これまで中部教区の諸教会・伝道所を中心として教団関係の皆様をはじめ、多くの方々の祈りによって歩んで来ることができたことを心より感謝しています。

 「まきば」は23年前に、隠退牧師の「終の棲家」としての思いを持ちつつ、介護付き有料老人ホームとしてその歩みを始めました。有料老人ホームとしての評価はもちろん、教団のセンターが運営するホームとしても、入居されたお一人お一人に寄り添い「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(ローマの信徒への手紙12章15節・新共同訳)というキリストの教えのもとに優しさと喜びを伝え、育んでいく施設として介護サービス提供を行っており、良い評価を得ています。

 「まきば」は、これまで教団以外の隠退牧師を含め、5名の先生方を神様のみ許へと送りました。そして、現在は6名の隠退牧師並びに、そのお連れ合いが生活の場として入居しています。また、入居している約6割の方々がクリスチャンと多く、第1金曜日に行われる「礼拝・聖餐式」、その他の金曜日に行われる「聖書の集い」、第3週の主日を中心に行われる「ルツの会」(礼拝)、「聖書写教の集い」等、毎月定例で行われるキリスト教プログラムに参加してもらい、信仰生活を共に送っています。特に聖餐式は、介護食用のパンとぶどうジュースを協力病院の医師監修のもと、看取りの時まで可能なものを準備しており、本人が希望すれば最期の時まで聖餐に与ることが可能となっています。

 さらに、年間行事としては、受難日や、イースター、召天者記念、ボランティア感謝、クリスマス等、様々な時に礼拝として入居者だけではなく、ご家族やボランティアの方々と共に守っています。

 さらに、16名の常勤職員のうち半数である8名がクリスチャンであり、聖書が語る愛の実践の場としています。

 そして「まきば」は、入居施設としての働きだけではなく、これまでも近隣の教会や地域において、超高齢社会において身近な問題である「介護」に関する講演を実施したり、介護に関する問い合わせに対応したり、入居者だけではなく、地域に、そして教会に寄り添う働きも担って来ました。

 いよいよ2020年の東京オリンピック・パラリンピックが開催され、建築費が落ち着いた頃を目処に、設立当初から描いていた「隠退牧師館(仮称)」の準備に向け、調査を予定しています。すべての業に時があるように、これまで備えられて来たものを計画へ移す時と考えています。今後とも皆様のお祈りに覚えていただき、幻の実現に向けてお支えいただければ幸いです。私たちの思いではなく、神様のみ業が顕されますようにと願いつつ。

【4917・18号】♦ローマ教皇訪日♦ すべてのいのちを守るため

 ローマ・カトリック教会フランシスコ教皇が、11月24日に広島平和記念公園で「平和のための集い」を、25日に東京ドームで「教皇ミサ」を行った。これらの集会に、プロテスタント教会や諸宗教の代表者も招かれた。

 広島の集会では石橋秀雄教団議長も壇上で教皇からのあいさつを受け握手した。教皇はメッセージで、「被爆者は、人種や宗教、あらゆる区別を超えて、共に核兵器の脅威と非道さを世界に訴えることができる」と語ると共に、平和を口にしながら核を武器として備え用いることを容認する者の非倫理性・犯罪性を指摘した。米国の核の傘のもとに安住する日本に覚醒を促すものだった。

 東京のミサには、教団関係者も多く招かれた。5万人の大会衆の歓呼の中、専用車に乗った教皇は、幼い子どもを祝福しつつ場内を一巡したのち登壇。説教では、創世記の初めと山上の説教から、神が造られた世界と命をそのままに感謝と喜びをもって受け入れなければならないこと、自分の命のことだけでなく他者と世界に満ちるすべての命を受け入れて共に生きることに招かれていることを告げた。「おお、主よ、すべてのいのちを守るため、よりよい未来をひらくため、あなたの力と光でわたしたちをとらえてください」との祈りに導かれるものだった。

 日本の、特に若者の間に広がる無視され無価値にされている人々の痛みや孤独を知り、その心に「思い煩うな。神の国と神の義とを求めよ」とのみ言葉の光を届けたいという思いが感じられた。

 最後に、今日の社会における教会の働きとして、傷ついた人々を受け入れる「野戦病院」となれ、と訴えたのは衝撃だった。カトリック、プロテスタントを含めた日本の教会、上からの福音に心を閉ざし冷え込んでいる日本の社会にとって、教皇訪日が、み言葉が語られ、聞かれ、生かされる機会となったことを喜びたい。(秋山 徹報)

【4917・18号】人ひととき 神子澤悦子さん わたしたちの国籍は天にある

 国立ハンセン病療養施設は全国に13か所ある。それぞれの施設にキリスト教の教会が存在する。施設利用者の減少に伴い、役割を終え、閉じていく教会もある。

 そのような中、今もキリストの証しの灯を守り続けている教会がある。青森市の松丘保養園内に存する「単立・キリスト教松丘聖生会」が、その一つである。聖生会会長の神子澤悦子姉は、ご自身の生涯と重ね、聖生会の歩みを次のように振り返る。

 1953年頃、園内にあった教会は聖公会一つだけで、その礼拝にはカトリック、プロテスタントの信者が混在していた。1954年にカトリックの教会堂が建てられ独立し、1956年には好善社によりプロテスタント教会の新会堂が献堂され、聖生会だけの礼拝を願い、聖公会を離れて新しい歩みを始めた。

 聖公会を離れ、独立した後は、日本基督教団弘前教会の藤田恒男牧師が葬儀や洗礼式などの牧会責任を負い、青森市内の宣教師や牧師、兄姉が日曜午後の礼拝に奉仕し、支えてくれた。藤田牧師が高齢になってから、青森市内の教団青森松原教会の中山年道牧師に聖生会の奉仕をお願いした。

 人生を振り返り、今想うことは「わたしたちの国籍は天にある」ということ。新しい命を与えられ、涙が溢れた日を忘れられない。80数名の聖生会であったが、祈りつつ兄弟姉妹を天へ送った日を想いながら、「測り縄は良き地に落ちた」の詩編の御言葉に感謝して、たくさんの牧師、諸兄姉に支えられた。

 最後に残る者は二人、三人になるかもしれない。しかし、最後まで礼拝を守り続け、讃美と祈りをささげ、福音の証しに励むことを書き残した亡き夫・神子澤新八郎(2019年召天)に感謝しながら生きたい。

青森市松丘保養園(国立ハンセン病療養施設)内にある「松丘聖生会」会長。

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