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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4907号】2019年度新任教師 オリエンテーション

2019年7月27日

 新任教師オリエンテーションが6月10〜12日、ハートピア熱海で開催された。

 今回の参加者は、新任教師34名、教団・神学校関係者他28名、総計62名であった。昨年よりも新任教師の参加者は少なかったが、その分、教団の教師として立てられている同労者が出身神学校の違いを超えて交流し、よく知り合う機会が多く持てたように思う。また近年、女性の教師が増える傾向にある中で、それぞれが抱える課題について活発に質問などが交わされるようになったという印象も受けた。

 一日目は、古旗誠委員長による開会礼拝のあと、石橋秀雄教団議長より「信仰の一致によって伝道を推進する教師〜多様性の豊かさの中で」という題で講演がなされた。牧師の精神衛生について、自身でも取り組んでいることを紹介しながら、心とからだの健康を保つことの大切さを話された。また地域の教会が協力して取り組んでいる伝道活動の事例が紹介され、一人の信徒の証しを通して、牧師は「言葉を失う」厳しい現実の中で、御言葉を語り続ける使命に生きる者であることが話された。最後に教団は分裂を乗り越えて信仰の一致において伝道する教会であることが確認された。

 夕食後、夜には交わりの時がもたれた。自己紹介を兼ねたゲームではそれぞれ遣わされた教会や地域の紹介や自慢をし、神学校の先生たちも加わっての三択クイズなど楽しい交流の時をもって、一日目を閉じた。

 二日目は、松木田博委員による朝礼拝のあと、教師養成制度検討委員会・菅原力委員長が「日本基督教団の教師として歩む」と題して講演をした。

 教団の教師であるということを考える上で、そもそも教団はどのような教会であるのか、現在の教団の組織的構造について詳しく説明された。教団は、二重構造の「ユニオン」チャーチという教会の構造を持っていることが、二階家のたとえを用いて丁寧に解説された。

 しかしまたその上で、教団史を資料から辿ってみると、初期の教団形成期において、教団は最初から二重構造の合同教会を目指していたのではなく、むしろ単一合同を目指しながら、教憲・教規を整えていったということが語られた。そして教団は今なお、動的な、一つなる教会を目指す過程にある合同教会であることが語られた。教団の教師としての立ち所を歴史的、神学的に考えさせられる講演であった。

 講演に引き続いて、「西日本豪雨救援活動について」中井大介東中国教区書記より、映像を見ながら、被災当時の状況を振り返り、東中国教区の支援活動、超教派での支援室の立ち上げ、真備町に暮らしの温もりを回復することを目的とした拠点施設「まびくら」での活動など報告がなされた。

 「牧会講話」を、元教団副議長・小林眞牧師(岩槻教会)が行った。49年にわたる経験から、牧会とは何かということを力強く語り、皆が感銘を受けて聞いていた。牧会とは「『人間の正しさ』が壊され、『神の義しさ』が立つ教会の奇跡」を持続させることであり、牧師は自分が語った言葉によって「神の出来事」「救い」が生じるゆえに、そこに責任を覚えなければならないこと。説教による牧会と訪問による牧会も、そこにかかっていること。個人の秘密厳守、教会員の期待や甘えに注意せよ、訓練にならない親しさを牧会と勘違いするな等々。厳しい言葉の中にも、新任教師への励ましが語られた。そのほか、牧会について多くの示唆が与えられる講演であった。

 午後には「教団の取り組み」として、出版局(新藤敦局長)、年金局(中川義幸理事長)、隠退教師をささえる運動(池田浩二委員長)、宣教研究所(岡本知之委員長)、部落解放センター(斎藤成二運営委員長)、全国教師会(梅津裕美理事長)、教師委員会(古旗誠委員長)について担当者から説明があった。

 そのあと、夕食までの時間は、自由時間とし、リフレッシュの時を持った。夜には5分団に分かれて語り合いの時を持った。

 三日目は日下部克彦委員による朝礼拝のあと、秋山徹総幹事が教団機構の組織と働きについて説明した。

 最後は参加者全員から一言感想を語る「全体のまとめ」が持たれたあと、上原智加子委員による閉会礼拝があり、三日間を振り返って、恵まれた豊かな時を参加者が共に分かち合うことができたことを感謝して、プログラムを閉じた。(上原智加子報)

教団新報
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