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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4703号】2010年度新任教師オリエンテーション

2010年7月31日

 

出身神学校等の違いを越えて

 

62123日、天城山荘(伊豆市)にて、2010年度新任教師オリエンテーションが開催された。出席者は74名(その内新任教師は52名)であった。主題は、前年度に引き続き「教団の教師として宣教を共に担う」とし、教師委員会としては、このオリエンテーションが、教団における宣教の働きの学びと共に、出身神学校の違い等を越えた新しい出会いと交わりの恵みを味わう機会となることを願って準備にあたった。

 

公同教会としての教団形成

 

1日目のプログラム〉

1日目は、松井睦教師委員長による開会礼拝の後、山北宣久教団総会議長による講演「公同教会としての教団形成に共に励むために」がなされた。

講演では、明治期の公会主義における合同教会の形成が教団の創世記であるとし、教団信仰告白に基づいて教団形成に励むことが話された。

また、多様性の豊かさということが相対化によるあいまいさに向かう危険性、および、宣教と伝道、教会形成と現場優先、信仰告白と社会的責任といった二極化の問題等が指摘された。さらに教団の教勢の減少について触れた後、小規模教会への励まし等が語られた。

講演後の質疑応答では、補教師で主任担任教師として遣わされている立場からの悩みについてなど、活発に質問や意見が出された。

夜には交わりの時間がもたれ、新任教師全員がお互いに握手をした後、各教師たちが、それぞれが遣わされている地域に立ち並んで、「新任教師による日本伝道地図」を作った。さらにそれぞれの地域の紹介や自慢をした後、2人ずつ組になってお互いの自己紹介をするなどして交わりを深めた。

 

グローバル化現象と教会

 

2日目のプログラム〉

2日目午前は佐々木美知夫教団総会副議長による講演「教団の教師像」がなされた。

講演では、教団が30余派の教会が合同してできた教会であり、さまざまな教師像・教師論を内包していること、また、教団における職制の確立においても十分な成長を遂げているとは言い難いこと等を踏まえながら、教憲・教規の規定により説明がなされた。さらに、各個教会における教師の働き(教会と共に育んでいく教師像、説教と聖礼典の執行による仕え人など)、および、教団という教会における教師の働き(教団信仰告白に言い表された信仰の守り人、同労のために祈り後進の導き手となる者など)について述べられた。

自身が教師として実際に経験された事柄などにも触れられたこともあって、新任教師にとって良い励ましとなる講演であった。

全体での写真撮影の後、内藤留幸教団総幹事による講演「教団の教会的権能・教務・教会・教区・教団の関わり」)がなされた。

内藤総幹事は、教会形成の土台としての正典(聖書)、信条(信仰告白)、秩序(教会法・組織)について紹介した後、教憲が示す「教会のかたち」について、および、公同教会の権能としての神の言葉の説教と聖礼典(洗礼と聖餐)について述べた。また、教団(教師の養成・検定・育成)・教区(教会を生み・育てる)・教会(信徒を生み・育てる)のそれぞれの働き等についても語った。

昼食を終え、午後には「教団の取り組み」として、教団事務局(道家紀一教団幹事)、部落解放センター(東谷誠センター運営委員長)、出版局(有澤年出版局長)、年金局(髙橋豊豊年金局理事長)、宣教研究所(宮本義弘委員長)のそれぞれの働きや取り組みの紹介がなされた。

休憩をはさんで、特別講演として、深井智朗教師(滝野川教会牧師、聖学院大学教授)より「グローバル化とこれからの教会」と題して講演がなされた。

深井教師は、「グローバル化」という現象と「教会」の課題との関わりを神学およびプロテスタンティズムの視点から説き明かし、教会が現代社会の諸問題や諸動向と取り組むということはどういうことなのかについて述べた。

その内容は、宗教的な理由で学校給食を食べられない子どもたちの紹介から始まり、グローバリゼーションが経済だけではなく宗教における課題であり、とりわけキリスト教と深い関係にある(キリスト教が国境や民族を越えて全世界に出て行ったことなど)現象であることが説明された。そして、教会が自らの歴史と伝統から注意深く学ぶこと、教会の政治的成熟と現代の社会的諸問題への預言者的・祭司的知性による対応、「寄留者」としてのキリスト者とその共同体である教会の使命といったことについて語られた。大変内容豊かで啓発的な講演で、参加者にはとても好評であった。

夜は分団の時間をもち、各講演についての感想や、それぞれの働きの紹介や課題、悩みや喜びといったことが活発に話し合われた。

 

知り合い、交流を深め合う

 

3日目のプログラム〉

3日目は小島誠志教師(松山番町教会牧師)による牧会講話が行われた。今回も同教師の牧師としての豊富な経験から、説教作成の苦労話や牧会の失敗談などが率直に語られ、新任教師はとても大きな慰めと励ましを覚える時となった。

その後、全体のまとめとして、参加した新任教師全員が一言ずつ感想等を述べ、最後に鈴木伸治教団総会書記による閉会礼拝をもって全てのプログラムを終えた。

食事の際など、初めて出会った参加者同士がなごやかに語り合うなど、お互いを知り合い、交流を深め合うこともできたと思われる。

これらの出会いが、今後のそれぞれの働きの場において豊かに生かされることを心から願いつつオリエンテーションの、恵まれた時を終えた。

(雲然俊美報)

 

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