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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4882号】2018年度教区総会報告 41教団総会に向けて準備

2018年5月26日

二種教職制論議・再度教団総会の場で

九州教区

 第68回九州教区総会は、5月2・3両日、九州キリスト教会館で開催され、議員247名中、開会時161名が出席した。総会冒頭、受按者3名、受允者1名が紹介され、会場は、大きな拍手に包まれた。

梅崎浩二議長は、8頁に及ぶ長文の議長報告の中で、「熊本・大分地震では、隈府、由布院、別府不老町3教会が再建、竹田、別府野口、熊本草葉町3教会の工事が完了し、ペンテコステ礼拝での別府不老町教会献堂式で、被災6教会への対応が事実上完了する。

教団の伝道推進基本方針における石橋秀雄教団議長の提案理由には、教団財政破綻への強い懸念が、発議の根本として述べられており、違和感を覚える。伝道とは、止め難い福音の喜びが溢れ出るところに、為されるものではないか」と述べた。

議案審議では、これまで教区が、準備・議論を重ねて来た「教憲9条・関連教規改正」議案が、最も議論を呼んだ。この議案は、一昨年の教区総会で可決、第40回教団総会のために議案化されたが、廃棄となった教区にとって重大かつ、いわく付きのもので、圧倒的多数で可決され、41回教団総会に提案される。

正教師・補教師の二種教職制の解消が狙いだが、「問題意識が薄れて来た」と提案理由にあるように、時の経過で関心が薄れただけでなく、約束された「教団内の協議の場」も実行されていないという不満がある。

教団総会議員選挙では、現行の教職・信徒各11名議員に対し、「半数の6名連記・4選除外」の修正案が議案化されたが、投票の結果、158名中49票で少数否決された。「天皇の代替わりに伴って行われる大甞祭に反対し、取り組みを進める」議案は、挙手多数で可決された。

また、「琉球弧、佐世保、佐賀での自衛隊軍備強化に反対を表明する件」を承認した。

教団総会議員選挙結果
【教職】梅崎浩二(大牟田正山町)、青木麻里子(春日東)、新堀真之(香椎)、多田玲一(福岡女学院)、青山実(名瀬)、日下部遣志(川内)、浦上結慈(飫肥)、川島直道(錦ヶ丘)、齋藤真行(別府不老町)、深澤奨(佐世保)、西岡裕芳(福岡警固)

【信徒】川畑馨(佐世保)、浅野直人(福岡警固)、栗田光雄(大分東)、伊津見七生子(若松浜ノ町)、佐藤クニ子(三重)、小深田信昭(国東)、園眞實(国分)、坂上剛(長崎馬町)、上垣明美(行橋)、白蓋勉(志布志)、小西眞二(福岡中部)
(永井清陽報)

 

総会礼拝で戦責告白、信仰告白を行う

大阪教区

 第63回大阪教区総会が、5月3~4日、大阪女学院ヘールチャペルで、開会時議員284名中208名が出席して行われた。

仮議事日程承認で、小笠原純議長は、教区三役で開会礼拝の式次第を検討し、「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」と「口語・日本基督教団信仰告白」を告白することとし、常置委員会で承認を受けたことを説明した。

これを受けて、今総会に提案されている、今総会での教団信仰告白の告白を求める議案の礼拝前の先議について活発な議論があった。議長は、開会礼拝前に提案者の意見表明のみを行うことを提案した上で、仮議事日程を承認した。

議案提案者・森田恭一郎議員は、「プロテスタント教会においては、信仰告白を岩として教会が立ち、教職が立てられる。沖縄キリスト教会が採択したことが理由で口語となったとのことだが、教区総会という正式の場であり、文語で告白したい」と述べた。礼拝では、原案通り戦責告白をリタニー形式で、信仰告白を口語で告白した。

また、信仰告白に関する別議案として、二日目に、「准允式・按手礼において信仰告白を唱和告白する件」を審議した。「聖書が語るのは信仰の一致であって、信仰告白の一致ではない」との反対意見、「教師を立てるのは教団であり、それを教区に委託している」等の賛成意見があった。

「4年前の総会で同様の議案を採決せず、その後、准允、按手礼の度に、常置委員会で信仰告白をするかしないかを判断するという状況が生まれた。今総会では採決すべき」との意見があった。しかし、「採決しない」との動議が出され、162名中102名の賛成で可決した。

常置委員会報告で小笠原議長は、18年度伝道資金交付金を申請したこと、信仰告白、聖餐に関する学習会の実施・継続、常置委員会の開催を8回に減らし陪席者一部を任意にする等機構改革の実施、17年度伝道互助、18年度教師互助を承認、18年度互助献金には伝道資金申請に伴う変更があること等を報告した。

18年度予算案の審議では、伝道資金交付金を申請することに対して、「未受洗者配餐をしている教会に交付しないという指針がある資金申請は反対」と意見があった。164名中113名の賛成で可決した。

その他、教団と沖縄教区との関係が再構築され、「教団沖縄宣教連帯金」の減額分の2分の1(40万円)を大阪教区が担う件を170名中120名の賛成で、「大嘗祭に反対する取り組みを大阪教区で行う件」を賛成多数で可決した。

教団問安使・秋山徹総幹事が挨拶し、教団議長挨拶の要点を述べた。機構改定に多くの質疑があった。「教団の負の歴史を踏まえた上で展望を持つべき」、「沖縄との修復をした上で機構改定を」、「教団総会を一泊二日とし、法定議案のみを扱うというのは、会議性の否定」等の意見に総幹事が応じた。

教団総会議員選挙結果
【教職】小笠原純(高槻日吉台)、尾島信之(南大阪)、井口智子(河内松原)、上地武(箕面)、田中郷史(吹田)、有澤慎一(池田五月山)、仲程愛美(石橋)、斎藤成二(千里ニュータウン)、大澤星一(西大和)、栗原宏介(奈良)、田邊由紀夫(茨木)、森田恭一郎(河内長野)、小池磨理子(玉出)、中西真二(小阪)

【信徒】小林喬(天満)、黒野忠和(東梅田)、東谷誠(いずみ)、山崎喜美子(愛隣)、吉村厚信(南大阪)、田川久美(吹田)、飯沼眞(高石)、立岩秀彦(鳳)、鈴木惠美子(馬見労祷)、筧正彦(茨木東)、駒木和男(河内長野)、楠原道温(茨木)、石田秀之(大阪)、中村賢治郎(小阪)
(嶋田恵悟報)

 

兵庫教区との宣教協約締結を可決

北海教区

 4月30日~5月1日にかけて、札幌北光教会を会場に、第78回北海教区定期総会が開催された。開会時の議員数は、125名中105名であった。

開会礼拝の前に、「教師の正教師按手並びに補教師准允に関する件」が上程された。議案は可決され、開会礼拝の中で2名の准允と按手が執行された。議案の議論の中で、現在の日本基督教団の二種教職制が現場で矛盾を生み出していると久世そらち議長が発言をしたのに対し、直接教団に訴えて議論をすれば良いのではないかとの意見があった。議長は、教区の中でまだ議論が深まっていないので、個人的な思いを教団に伝えるわけにはいかないと答えた。議場からは、教区総会の度に議長が問題提起をするのは大切という意見も聞かれた。

議長総括で議長は、まず、「時代の状況」の項で、教会が置かれている日本社会に対する様々な懸念として、改憲、天皇交代、基地、道徳の教科化等を挙げ、加えて北海道の状況として、首都圏への人口流失による高齢化と少子化問題が生活資源の衰退をもたらしているとした。

これらは各議案に反映され、「天皇の代替わりにともなう即位儀式に際し、憲法の国民主権を徹底し、政教分離に違反する大嘗祭などを国事行為とせず、国費を用いて行わないことを要請する決議に関する件」、「安倍政権が2020年までの実施を目指している『憲法9条に自衛隊を明記する』との憲法改正に反対し、阻止するための行動を推進する決議に関する件」、「アイヌ民族の権利を回復する運動の推進決議に関する件」が上程、可決された。

また、「教会の状況」、「北海教区の課題と取り組み」の項で、そういう懸念材料がある中で教会が積極的に社会、地域と関わり、教会同士での支援体制を整えつつ、この世で光を輝かせているとした。このことを更に推し進める議案「第四次長期宣教計画に基づく2018年度活動計画に関する件」において、宣教のビジョン実現のため革新、連帯、平和の各部門が相互に連携しつつ活動することが訴えられ、議案は可決した。

その他、日向恭司幹事から小西陽祐教師に幹事を変更する議案「北海教区幹事選任に関する件」、「北海教区規則変更に関する件」、「釧路教会と春採教会合併申請承認に関する件」、「北海教区と兵庫教区との宣教協約締結に関する件」等を可決した。

教団問安使とのやり取りの中で、現行の宣教基礎理論の扱いを問う問いに対し、石橋秀雄議長が、「現行の宣教基礎理論を大切にしつつ、改訂の作業を進めたい。今後は、改訂宣教基礎理論の解説書のようなものを発行したいと考えている」と答えた。

常置委員選挙結果(半数改選)
【教職】柴田もゆる(函館千歳)、卜部康之(千歳栄光)

【信徒】佐久間光昭(置戸)、島田久美子(月寒)、板谷良彦(札幌北部、1年任期)

教団総会議員選挙結果
【教職】原和人(札幌富 丘・手稲はこぶね)、久世そらち(札幌北部)、木村拓己(美唄)、小西陽祐 (教区幹事)、柴田もゆる(函館千歳)、 指方信平(札幌北光)、卜部康之(千歳栄光)

【信徒】佐久間光昭(置戸)、島田久美子(月寒)、藤巻朋子(札幌元町)、三浦英敏(札幌北光)、島田繁明(帯広)、 稲垣正策(函館千歳)、板谷良彦(札幌北部)
(小林信人報)

 

教師謝儀規定変更案を可決

四国教区

 4月30日、5月1日、高知教会において第76回四国教区総会が開催された。開会時出席議員は152名中122名。

組織会後、直ちに教団総会議員選挙を行い教職・信徒各9名を選出した。四国教区の教団総会議員選挙で特徴的なことは、信徒議員選出にあたり、6分区長と常置委員1名で選考委員を組織し倍数候補を選出することである。日程などを考えて教団総会に出席が可能か等、分区長がそれぞれに考慮して候補とする。参考候補者以外への投票も当然有効となる。選挙に先立って、黒田若雄議長は議場に立候補を確認したが、候補者はなかった。

常置委員会報告では、抜本的な教区教師謝儀規定見直しの協議を継続し本総会に提案すること、神学校との対話プログラムを新規に実施したこと、ハラスメント対策委員会設置、東日本大震災被災支援小委員会活動終了等が報告された。

財務関連審議において謝儀規定変更案が提案された。2015年から検討を開始し75総会に提示された変更案は、この1年かけて各分区、各教会への意見聴取、説明、教区宣教方策会議等での議論を経て最終案として提案された。従来、公務員高校教諭給与表を参考に謝儀基準を定めてきたが、各教会の謝儀の実情と乖離が顕著になってきたことから変更案を提案することとなった。

旧来の年功序列型ではなく、教師の年齢で変化する家族構成、教育費、医療費、配偶者の収入等を考慮した教区独自の基準である。個々の教師の生活状況に合わせ柔軟に対応し、また、今後予想される互助申請増加に応じるための変更となる。1958年に教区謝儀基準を定めたときの「教師が安心して生活できなければ伝道の前進は望めない」、「教師の生活を支えることによって伝道の将来を開こう」との原点を確認する提案となった。

変更案に、基準の実質引き下げとなることに反対する意見、教区互助額に相当する自立連帯献金への参加率を上げるべき等の意見があった。しかし総会期をまたいで丁寧に説明されてきたこともあり、大きな反対意見なく変更案を可決した。新規定を、各個教会は自主的に適用し、教区は教会互助費算定基準として18年度より運用する。

17年度決算額5350万円に対して、増額の18年度予算5366万円を可決した。

2日目朝には、逝去教師2名の追悼式と、新たに立てられる教師3名の准允式が続けて行われ、伝道者の襷が引き継がれる象徴となった。

教団総会議員選挙結果
【教職】黒田若雄(高知)、寺島謙(松山城東)、松井暁郎(大洲)、上島一高(松山)、小島誠志(久万)、篠浦千史(さや)、矢野敬太(愛南)、岡本康夫(南国)、大田健悟(鴨島兄弟)

【信徒】長島恵子(鴨島兄弟)、近藤康夫(新居浜西部)、脇萬里子(三島真光)、東安子(近永)、安宅登代子(石井)、不動光子(さや)、細谷良三(屋島)、菅田栄子(松山城北)、柏原伸行(潮江)
(新報編集部報)

教団新報
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