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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4852 ・53号】▼「障がい」を考える小委員会▲国連障害者権利条約について講演

2016年12月17日

 10月3~4日、第5回「障がい」を考える全国交流会が、新宿・戸山サンライズにおいて開催された。今回の交流会は、「国連障害者権利条約と障害者法制をめぐって」を主題とし、講師に、アジア太平洋障害者センター(APCD)所長、二ノ宮アキイエ氏を迎えた。15教区39名が出席した。

 1日目の講演では、15年前、タイ・バンコクで障がい者を中心に組織されたアジア初の国際機関APCDの紹介と、APCDにおける国連障害者権利条約(CRPD)の実践を聞いた。障がい者に障がいのない人のように訓練することを求めるリハビリテーション思想は、社会に障がい者を含むすべての人を受け入れる配慮を求めるインクルーシブの発想へと移行している。障がい当事者が中心的役割を担うAPCDの取り組みが、インクルーシブ社会の形成に寄与している様子が紹介された。

 これを受け、夕べの分団では、講演内容の分かち合い、講師への質疑、それぞれの課題等が自由に語られた。

 2日目の講演は、分団での質疑への応答から始まり、キリストの宣教と障がい者をテーマに展開された。主の伝道の初めに障がい者、病者があった(マタイ4・23以下)。障がいのゆえにコミュニケーションが異なることは、異文化として理解することができる。

 例えば、ろう者の文化は、難聴者の文化とは異なる。すべての人がまず自らのアイデンティティを持ち、そこから互いに異なる文化言語を理解し合い、受け入れ合うインクルーシブの共同体を形成していく。時間と忍耐が必要な取り組みである。また、教会が、建物、移動のみならず、礼拝、コミュニケーションやインフォメーションの面でアクセスに配慮しているか、教会員や関係者の間で「障がい」に関する学びが持たれているか等、具体的な課題も示された。

 今回は、視覚障がい、聴覚障がい、身体障がい、知的障がい当事者6名が参加した。次回には、さらに障がい当事者の参加と交わりの充実が期待される。(上竹裕子報)

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