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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4580号】人ひととき 阿佐光也さん

2005年6月11日

自分の信仰が豊かにされた

阿佐光也さんと盲人伝道協議会の関わりは、小学生時代に遡る。全盲の父に連れられて、夏の全国修養会に遊びに行ったのが最初だった。住まいも盲学校の中。盲人がいるのが普通の生活だった。三〇歳を過ぎて信仰を持ち、献身した。在学中に主事として盲伝で働くようになる。視覚障害者の伝道に関わるというより、仲間と再会し、一緒に活動する気持ちだった。
現在、盲人伝道協議会は「教会が本来担うべき仕事、信仰教育や教会生活のケアを行っている」という。日本の視覚障害者教育は、盲人キリスト者達に先導されてきた。戦後、ヘレン・ケラーの援助を受け、盲人キリスト信仰会、NCC、日本基督教団の協議によって盲人伝道協議会が成立、現在維持会員は四五〇名。文書伝道、盲人同士の交わりや晴眼者との相互理解を深める場を提供してきた。特に旧約聖書に関しては盲人達が自分達の手で発行したという歴史もある。新共同訳聖書も聖書協会と合同の点字出版委員会を作り、募金活動を行った。盲人の信仰教育も盲人キリスト者に担われてきたのである。「その人達の信仰は強烈だった。盲人のために働くというより、その確固たる信仰に触れられたことがすごい体験。自分自身の信仰が豊かにされた」と、阿佐さんは語る。
現在、阿佐さんの仕事で「相談に乗る」ことのウェイトは大きい。「教会でこんなことがあった」「教会を紹介してほしい」「教会に視覚障害者が来たが、どう対応すればいいか」電話だけでなく、「視覚障害者理解の手引き」を作成して、相互理解を深める努力をしている。「誰かがやるだろう」ではなく「誰かがやらなければならないこと」。それを今、盲伝が担っている。
「ここまで続いてきたのは神様のみ旨と、支えて下さる方々のおかげ。でも本当はもう少し、各個教会がこういう活動に興味を持って下さるとなあ」経済的な問題や後継者問題。課題が山積みである。

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